人体は細胞より菌の数の方が多い?

先日、製薬会社にもらった資料を見ていたら、聖マリアンナ医科大学客員教授の嶋田先生という方の話が載っていて、その中に、人間の細胞は60兆個、そこに棲みついている微生物は600兆個、と書かれていました。
微生物の方が多いやん! って。(^-^;
そういえば医学生の頃、そんなこと習ったような……?
なんにしても、すごいですね、微生物。

生活習慣病の保健指導を民間に委託へ

 毎日新聞によると、厚生労働省は来年度から、健診で生活習慣病のリスクが高い人に対する保健指導を民間業者に委託することを決定したそうです。
現在、患者数は糖尿病が約740万人、高血圧症が約3100万人、高脂血症が約3000万人。個別指導を行う保健師は全国に約4万人しかいないとのこと。
って、保健師さんがそんな指導してくれるなんて知りませんでした。(^-^;;
で、委託する相手は民間の管理栄養士や健康運動指導士なんだとか。
 いやぁ、是非大いにやっていただきたいですね。
毎年健診で「危ないですよ」って言われても、なかなか生活習慣が改められなくて、どんどん重症化して、結構な糖尿病になっちゃったり、心筋梗塞起こしちゃったりという人、実はとても多いです。
健診受けた意味ないじゃん、って。(-_-;;
医療費的にも、生活習慣病が約3割を占めてるんだそうで、厚労省は今回の取り組みで中長期的な医療費の抑制を目指してるそうです。
是非、頑張って病気を予防してもらいたいです。

感染性腸炎がここ10年で一番の流行!

いやー。
外来やっていて、吐き下痢(感染性胃腸炎)がイヤに多いなぁとは思ってたんですよ。
そしたら、感染性胃腸炎の患者数が、昨年12月中旬に1995年以降で最多になったんだとか。
なんでも、これは全国約3000カ所の小児科を対象に毎週実施している患者の定点観測のデータだそうです。
まぁ、元気な人ならまず死ぬことはない病気ですが、御老体の場合は話が別で、高齢者施設では死亡例も多々あり、よくニュースになっています。
 予防には、やはり手洗いが大切とのこと。
みなさん、気をつけましょうね。(^-^)/

「森田療法」の本

森田療法  岩井 寛   講談社現代新書
4061488244 先日お話した「神経症」という病気の治療法のひとつ、「森田療法」に関する本です。
新書ですので、位置づけとしては森田療法を紹介する本、入門書、ということになります。
しかし、軽い本かというとさにあらず。
末期癌に冒され、左耳の聴力と視力も失い、下半身の力さえ入らなくなった著者が、その現実を「ありのまま」受け入れ、自分の「生の欲望」のために口述筆記で著した、壮絶な書です。
(「生の欲望」とは、言い換えれば「自分の人生に意味を求める」ということであり、生命に内在する創造性そのもののことだと思います。)
すなわち、この本そのものが、不安や葛藤を「あるがまま」に認め、「目的本意の行動をとる」という「森田療法」の理念そのものを体現していると言えるでしょう。
 内容的には、森田療法についてとても平易に書かれており、ページ数も少ないので簡単に読めます。
新書だけに、細かい点まで網羅しているというわけではありませんが、詳しいことを知りたくなれば他の専門書を読めばいいでしょう。
 神経症に少しでも興味がある方は必読と思いますし、そうでない方も読んで損はないと思います。
オススメです。

緊急検査、治療

今日はそろそろ帰ろうかなーと思っていたところに急患が。
緊急で検査、治療をすることになりました。
上の先生たちの奮闘の甲斐あって、治療自体はうまくいったのでよかったよかった。
でも、帰るのはずいぶん遅くなってしまいました。
結局今日は子どもの寝ぼけた顔を一目見ただけ。
なんだかなぁ。

「神経症」ってご存知ですか?

皆さんは、「神経症」という障害をご存知ですか?
身体的には病気でないのに、様々な症状に悩まされ、とらわれてしまう障害です。
例えば「人前で字を書こうとすると震えてしまう。綺麗に書こうと思えば思うほど症状が強くなる」
「自分の手が汚れているような気がしてしまい、手を洗い続けてしまい、生活に支障をきたしてしまう」
「病院で精密検査をしても何もないと言われるが、心臓がドキドキして、今にも死んでしまいそうで外に出ることができない。」
「人と話すと顔が赤くなってしまう気がして、それが恥ずかしいため人を避けてしまう」
「ドアに鍵をかけたか不安になってしまい、何度も確かめずにはいられない」
などなど、症状は多岐にわたります。
日常診療をしていると、そこまではっきりしていなくとも、神経症に近い傾向をもっていて、そのために苦しまれている患者さんも少なくはないように思うんですよね。
基本的には精神科か心療内科で見てもらった方がいい障害で、僕なんか門外漢なんですが、身体の病気と紛らわしい場合は内科で診ちゃうこともあるので、最近情報をみつけるとちらっと読んでみたりしてます。
というわけで、今日からちょっとの間、神経症シリーズです。
興味のない方、ごめんなさい。(^-^;;
☆☆☆参考サイト☆☆☆
MeDic医学用語辞典内「神経症」
メンタルヘルス岡本記念財団 神経症と森田療法
Medical Heart内「神経症自己診断テスト 藤波神経症尺度(FNI)」

新しい病院って、イイですね

昨日、ひょんなことで都内のN病院に見学をしに行ってきました。
いやぁ、でかい! きれい!
新しい病院って、イイですね。
中身がどうかなんて関係なく、「いい病院」に見えますからね。(^-^;;
先日、いろんな病院のお偉いさんたちが「建物が新しくて綺麗だと患者さんが激増する」って言ってましたが、やっぱりそうなんだろうなぁ、と思わされました。
まぁ、これが普通のお店なら、「いい仕事してる」→「お客さんがたくさん来て儲かる」→「建物にお金を使えて綺麗になる」という図式がなんとなく成り立ちそうですが、病院の場合はそうでもないあたりが難しいところなんですよね。
病院なんて、大きければ大きいほど儲からないのが当たり前という世の中ですから、建物にお金をかけられるのはバックの力が大きいところ、ということになります。
これはちょっと極論かもしれませんが、いい仕事をしてるかどうかはそれほど関係ないんですよね。
これ以上書くと怒られそうなのでやめときますが、病院を選ぶときは建物を基準にせず、担当の医師が自分に合うかどうかを基準にした方がいいような気がします。
以上、あんまり綺麗じゃない病院に勤める医師の負け惜しみでした。(^-^;;

一酸化炭素中毒に注意!!

最近、一酸化炭素中毒で事件がいくつかありましたね。
冬の時期、換気を十分にしないで暖房なんか長時間つけてると、結構危ないことがあります。
一酸化炭素の怖いところは、臭いがなく、気づいたときには中毒になっている場合があること。
石油ストーブやガスストーブを使われている方は、ちょっと寒くても換気に気をつけて下さいね。
メルクマニュアル医学百科内
http://homepage3.nifty.com/mickeym/simin/412co.html

今年は早くインフルエンザが流行してます

厚生労働省によると、今年はここ10年で2番目に早くインフルエンザの流行が始まっているようです。
流行が早く始まると、例年患者の数も多くなり、流行期間も長くなることが多いようで、今年は特に警戒が必要です。
そろそろ鳥インフルエンザの人への感染も海外ではちょこちょこ報告されるようになってきましたし、あらぬ疑いをかけられないためにも(?)、予防に気を遣いましょう。
そこで、効果的な予防法ですが、一番大事なのはマスクと手洗い。
インフルエンザの大好きなのが寒さと乾燥だそうです。
で、鼻の粘膜の免疫機構も寒くなって血行が悪くなると働きがガタ落ちなんだとか。
で、感染経路としても飛沫感染がとても重要だったり。
つまり、分厚いマスクをしとけば結構効果的、ということですね。
というわけで、「調子が悪いから」マスクをする、というのではなく、「調子が悪くならないために」マスクをして下さい。
それから、風邪が一番移りやすいのは「手」からと言われています。
だから手洗い、なんですね。
で、忘れちゃいけない、うがいです。
あとは基本的なことですが、しっかり栄養と睡眠をとって、疲れをためない工夫をしましょう。
僕も「医者の不養生」にならないよう、気をつけます。(^-^;;

実は急性胃腸炎になってました

実は、12月31日から急性胃腸炎になってました。
周りの人は誰もお腹壊してないので、たぶん疲れで調子を崩しちゃったんだと思います。
1回嘔吐、頻回の下痢、ほぼ平熱、吐血無し、血便無し。
典型的な(たぶんウイルス性の)急性胃腸炎ですね。
そういうとき、僕はまず胃腸を休めます。
絶対無理に食べません。
ちびりちびり飲めそうなときにスポーツドリンクを飲み、後は暖かくして寝る。
飲めなきゃ病院に行って水分補給目的の点滴。
(ちなみに今回はそこまで重症化せず。)
夜にはお腹が減ってしまったのでウイダーインゼリーを摂取。
次の日(つまり年明け)にはほぼ完治していました。
薬も一応用意していたんですが、結局飲まず。
もちろん抗生剤も飲まず。
しかし病気になるとやはり、患者さんの気持ちが分かりますね。
医者もたまには病気をせんといかんなぁと思いました。(^-^;;