「森田療法」の本

森田療法  岩井 寛   講談社現代新書
4061488244 先日お話した「神経症」という病気の治療法のひとつ、「森田療法」に関する本です。
新書ですので、位置づけとしては森田療法を紹介する本、入門書、ということになります。
しかし、軽い本かというとさにあらず。
末期癌に冒され、左耳の聴力と視力も失い、下半身の力さえ入らなくなった著者が、その現実を「ありのまま」受け入れ、自分の「生の欲望」のために口述筆記で著した、壮絶な書です。
(「生の欲望」とは、言い換えれば「自分の人生に意味を求める」ということであり、生命に内在する創造性そのもののことだと思います。)
すなわち、この本そのものが、不安や葛藤を「あるがまま」に認め、「目的本意の行動をとる」という「森田療法」の理念そのものを体現していると言えるでしょう。
 内容的には、森田療法についてとても平易に書かれており、ページ数も少ないので簡単に読めます。
新書だけに、細かい点まで網羅しているというわけではありませんが、詳しいことを知りたくなれば他の専門書を読めばいいでしょう。
 神経症に少しでも興味がある方は必読と思いますし、そうでない方も読んで損はないと思います。
オススメです。

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