内科日誌 2009.12.31 除菌をしています。

胃がんの予防法として、ヘリコバクター・ピロリをやっつける(除菌)が非常に有効だということが分かっています。
何年か前まではエビデンスがしっかりしていなかったので僕も除菌していなかったのですが、現在はしっかりしたエビデンスがあり、僕もそろそろ除菌しなければと思っていました。
ただ、除菌の薬には2種類の抗生剤が含まれており、下痢をすることが多いんですよね。
有益な腸内細菌も一緒に殺されてしまうことが一つの原因だと思われますが、忙しい診療中に下痢でつらい思いをしたくないので、タイミングを計っていたんですよね。
当初はお盆休みを狙っていたんですが、うっかりしていてスルー。
今度こそ、ということで正月休みの現在、除菌をしています。
除菌は1日2回の内服を一週間。計14回の内服で終了です。
現在4回飲み終わったところですが、今のところ下痢はしていません。
たまに胃のあたりが気持ち悪い感じがしてやや不快ですが・・・。
除菌の肝は、当たり前ですが「いかにしっかり薬が飲めるか」です。
1回目の除菌の成功率は80-90%と言われていますが、失敗すると、2回目の除菌の成功率はわずかに30-40%。
少しでも成功率を上げるための工夫として・・・

続きを読む 内科日誌 2009.12.31 除菌をしています。

限界なので対策。

さきほど午前2時くらいにようやく夕食が終わりまして、一息ついてこれから寝るところです。
今日は何とか時間通りに昼食をとれましたが、昨日も火曜日も朝から夜9時くらいまで、飲まず食わずで1秒も休まずに診療してました。
昼食は夜9時。
それでもなかなか患者さんの待ち時間が減らせず、ご迷惑をおかけしてしまいました。
月火木金は終電まで健診結果のチェックその他の業務をしているのですが、問題なのは、それでも仕事が終わらないこと。
冬場だから特に忙しいということもあるんですが、さすがにこれをあと何年も続けるのは無理があるので、対策を立てることにしました。
まず第一弾として、火曜の夜に来ていただいている吉田先生に、金曜午前も来ていただくことにします。
1月、2月は僕と吉田先生の併診という形にしますが、3月から金曜午前の外来は吉田先生のみとし、僕は検査と健診業務をさせていただこうと思います。
もちろん、午後からは通常の外来を行います。
今後も、少しずつマンパワーを増やして患者さんの待ち時間を減らしつつ、僕の業務も少し減らせるようにしていければと考えています。
倒れてしまっては患者さんたちに対する責任が果たせなくなってしまうので・・・。
3月から金曜午前の僕の外来が無くなることになるので、皆さまには大変ご迷惑をおかけすることになってしまいますが、何卒ご了承ください。

怒りがこみ上げました。

さきほど、NHKのドキュメンタリーをちらっと見ました。
第二次世界大戦の白黒映像をカラー化したもの。
スターリングラードで戦うナチス・ドイツ軍とソビエト軍の映像でした。
みていたら、パタリパタリと簡単に兵士が撃たれて死んでいきます。
たくさんの人が死んだ後、スターリングラードを占領したと言ってヒトラーが喜んでいました。
許せません。
健康な肉体をもった、将来のある若者をたくさん死なせておいて、喜んでいられる神経がわかりません。
朝から夜まで治療ばかりしているから余計にそう感じるのかもしれませんが、人の体はすごく繊細で、「健康」というのはそう簡単に手に入るものではありません。
「幸福」なんてもっと手に入れるのが難しいものです。
それを無数に壊して喜べるなど、まさに悪魔的。
戦争もテロも絶対悪、本当にそう思います。

忘年会&即席年末院長杯

今日(日付は昨日)はクリニックの忘年会でした。
出席者数はなんと17人。
あまりの多さに、正直ビビりました。
よく考えると、バイトの先生とかを含めるとうちって20人の大所帯なんですよね。
もちろん、パートとか治験のスタッフも入れての話ですが。
これだけいて、今のところ(たぶん)派閥がないって、実はすごいことなんじゃないか、とかとか。
ところで、スタッフが20人もいるのって、うちのクリニック始まって以来のことかもしれません。
従業員が多いことがいいことだ、などという感覚は毛頭ないんですが、自然に増えてしまったんですよね・・・。
それはともかく、なんとなく物足りなかったので、ついでにボーリングに行くことにしました。
今度は5人抜けて、12人。(それでも大所帯)
で、みんなが景品出せと言うので、3チームに分けてチーム戦をしました。
景品はスイーツバイキングに設定。
そしたらものすごい盛り上がってしまいまして。
僕のチームは残念ながらビリ。
最初はそこそこだったんですが、他チームの追い上げがすごいすごい。
結局、ターキーをたたき出した森田さんチームが優勝をもぎ取っていきました・・・。
とても楽しかったのと、ちょっと悔しかったので、新年会でもまた院長杯をしようと思いました。
景品をまた考えないといけませんね・・・。(^-^;

胃カメラ大腸カメラ日誌 2009.12.12

今日は土曜日なので12:30までの受付でしたが、3件の胃カメラと1件の大腸カメラがありました。
今日の大腸カメラもなんとか楽に受けていただけたので、よかったよかった。
大腸カメラ、大腸ポリープの日帰り手術は東京 渋谷ヒラハタクリニック

健診・ドック日誌 2009.12.08 海外からのお問い合わせが増えました

 最近、海外にお住まいの日本人の方からの健診・ドックに関する問い合わせが多くなってきたように思います。
「~日に帰国するので、~日から~日で受診できないか?」など。
できるかぎり、ご希望に添える形で対応させていただいておりますので、お気軽にお問い合わせください。

続きを読む 健診・ドック日誌 2009.12.08 海外からのお問い合わせが増えました

大腸カメラ日誌 2009.12.07 気づいたら大腸がん・・・

 先日、ご高齢の男性の大腸カメラ検査を行ったときのこと。
ご本人は全くの無症状だったのですが、大腸の奥に行ってみるとガンで腸が塞がる直前の状態でした。
その他にも、大小のポリープがたくさん・・・。
今後手術に向けて入院ということになると思いますが、「あと何年か早くやっておけば・・・」と、いたたまれない気持ちになりました。
 やはり、大腸カメラはある程度の年齢になったら、是非一度は受けていただきたい検査の一つですね。
大腸カメラ、大腸ポリープの日帰り手術は東京 渋谷ヒラハタクリニック

内科日誌 2009.12.6 財務省が人を殺す!?

 事業仕分けで、漢方を保険の対象が除外しようという流れになったそうです。
薬局で売っている薬は医者が出す必要はない、とのこと。
本当にふざけるな、という思いです。
ここのところ腹が煮えくりかえって仕方がありません。

▽命がけで手術

 たとえば大建中湯などは術後の腸閉塞などに有効であることがさまざまな論文で証明されており、医療費の抑制にも非常に役立っています。
私が大学病院にいた時、漢方が専門でない上司からも使うよう指導され、医局員は皆、かなりの患者さんに使っていました。
使うのが当たり前だった薬も、保険の対象外になれば処方することができません。
入院中など、状態の悪い時はできるだけのことをしたいところですが、本当は安い薬を使えば助かるのに、使えなくて状態が悪くなってしまうことも多くなるでしょう。
状態が悪くなれば手術でどうにかしなければいけませんが、状態が悪いからこそ、手術は命がけになります。

▽小児が危ない!

 インフルエンザのときはよく麻黄湯が使われます。
インフルエンザに対する有効性はタミフルと同程度と多くの論文で報告されている薬で、タミフルが使えない小児にもよく使われています。
適切な患者に処方すれば、早ければ内服して3時間後に熱が下がり始めるという、魔法のような薬で、当院でも非常に好評をいただいています。
しかも、タミフルやリレンザより、圧倒的に薬価が安い。
しかし、そんな薬も誰にでも出せるわけではなく、年齢や全身状態、脈、汗の状態などを総合して判断しないといけません。
不適切な患者に処方すれば、治らない上にかえって副作用が強く出てしまう可能性もあります。
薬剤師は診察をすることができませんから、そういった難しい判断ができるはずがありません。
インフルエンザの迅速検査で陰性だったとき、とりあえずインフルエンザでもそうでなくても効果がしっかり出る麻黄湯で様子を見る、といったこともよく行われていますが、それができなくなれば、手遅れになってウイルス性肺炎などで死ぬ人も出てくるかもしれません。
特に心配なのは、命に関わる可能性の高い小児です。
財務省には子どもを殺す特権があるのでしょうか。
財務省の人は、自分の子どもが死んでも仕方ないとあきらめられるのでしょうか。

▽日本から漢方が消える!

 もう一つ心配なのは、保険から除外されることで、漢方を学ぶ医師がいなくなることです。
保険適応だからこそ、医師は自分の守備範囲と思って勉強を始めるのです。
かくいう私もそうでした。
保険から除外されれば、若い医師はまず勉強をしなくなるでしょう。
日本の医療費抑制と国民のQOLの改善に役立ってきた漢方の伝統は潰えてしまいます。

▽署名にご協力を

 今、小さな成果のために、たくさんの人の命が危険にさらされています。
現在、日本東洋医学会などが中心になって反対署名を集めていますが、予断を許さない状況です。
署名は12月7日まで。
当院でも署名を集めていますし、こちらのサイトで漢方保険はずし反対の電子署名も可能です。
ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
☆☆関連参考サイト☆☆
社団法人日本東洋医学会
【ゆうゆうLife】漢方薬が保険から外れる!? 医師ら「治療に困る」「最先端の薬」
事業仕分け:漢方薬「保険適用外」方針 反対署名活動広がる--名張 /三重
内科なら東京 渋谷ヒラハタクリニック

ギネ、また観ちゃいました

 いやぁ、観たのまだ2回目なんですが、今回も重かった・・・。
でも非常によくできたドラマだと思います。
また、こんなに「死」を身近に描いた番組も少ないような気がします。
 最近よく思うんですけど、世の中には本当にたくさんの人たちがいるわけですが、全員お母さんがおなかを痛めて産んでるんですよね。
妊娠・出産ってものすごく大変ですから、それぞれドラマがあるわけです。
つまり、出産だけでも人数分ドラマがあると。
で、かつ、全員もれなくいつかは死ぬわけで、そこでもドラマがある。
それってすごいことですよね・・・。
まぁ、なに当たり前のこと言ってんだって感じかもしれませんが・・・。
 「ギネ」に出てきたお母さんたちが、文字通り命をかけて子どもを産もうとする姿を見て、「何のために生きるのか」という、根源的な命題を改めて突き付けられたような気がします。
少なくとも、死ぬ間際に地位とか財産とか関係ないですよね。
人生に満足して死ねるかどうかだと思います。
どうすれば満足できるのか。
そこに人生の本質が隠れているように思います。
 さて、今回も産科医療崩壊について何回か番組の中で取り上げられていました。
医療訴訟を起こされれば、たとえ裁判に勝っても病院の評判は下がる。
だからリスクの高い産科を縮小する。
縮小すれば近隣の産院もいざというときの受け皿がないため、リスクが怖くてお産をやめる。
で、その地域でお産をするのが難しくなる、という。
まぁ、当然の帰結だなぁと思います。
だからこそ、訴訟以外の解決方法を用意しなくてはいけないわけで、今もその方向でいろいろな動きがあるわけですが・・・。
日本の医療、これからどうなるんですかね。
近いうちに「漢方がピンチ」という話も書こうと思います。