戦場ジャーナリストの方々について思ったこと

日本のジャーナリストは紛争地に行くべきか?行くべきでないのか?-戦場ジャーナリストとしてモノ申すを拝読しました。
大切な意見だと思います。
人が命を懸けて公共のために仕事をし、なにかあっても責任はすべて自分が負うとの信念を持っている時、それを「迷惑だ」と禁止する権利が誰にどれだけあるのか…。
彼らがカメラとペンを武器に、悲惨の2字を無くすために戦う侍だとして、使命感ゆえに危険な戦いに臨まんとするとき、その命の輝きを阻むことが「正義」か、という点は慎重に考えねばならないと思います。
禁止しない場合、誘拐ビジネスを助長しないため、捕えられても犯罪者とはあまり有効な交渉ができない可能性が高いという前提に立っての話になってしまうため、残酷な話にはなってしまうかもしれませんが…。
僕は医者なので、基本的には健康寿命を延ばすのが仕事ですが、その根本は、その人が生きたいように生きるのを補助することだと思っています。
末期がんの患者さんの命を少しだけ伸ばすことより、その人が納得し、少しでも満足した最期を迎えられるようにすることが大事なこともあると思います。
ジャーナリストの方が自分の残りの命を紛争地帯の実態を世界に伝えることに使いたいとおっしゃったとき、その考え方を適用することが「悪」なのか。
あくまで寿命を延ばすことが「善」なのか。
そもそもその善悪を決める権利が医者ごとき(あるいは赤の他人)にあるのか。
人はいつか死ぬと考えた時、その命の使い方は、その人自身の自由であるべきなのか。
あるいは、その自由は制限された方が公共にとって「善」なのか。
感情論ではなく、冷静に考えなければいけない問題だと思います。

特攻の記事を読みました。

戦後70年:数字は証言する データで見る太平洋戦争(2)神風は吹いたのか?4000人が死んだ「特攻」 毎日新聞
http://mainichi.jp/feature/afterwar70/pacificwar/data2.html

数字で見て初めて見えてくることもありますね。
最大の慰霊は美化することではなく、悲劇を繰り返さないことと思います。

「戦争責任者の問題」

戦争責任者の問題
戦争責任者の問題 0円でした。
すぐ読めちゃう分量です。
必読。
なぜこれを学校で教えないんでしょう。
教えないのは誰かにとって都合が悪いんですかね。
例えば、あの戦争を誰かのせいにしたい人たちにとって…。
 
僕は中学生の頃から、祖父母の世代が戦争について、「仕方がなかった」というような態度でいることが不思議でなりませんでした。
それは「また戦争が起きても仕方がない」と言っているように聞こえました。
思えば僕の2人の祖母たちは女学生~社会人なり立てだったわけで、親たちを戦争責任者として追及することは、気持ちとして難しかったのかもしれませんが…。
 
「軍部が悪かった」「国民は軍に騙され、抑圧され、無理矢理戦争させられた」と小学校では習いました。
しかしすでに当時議会制になっていたはずで、それもおかしいだろうと思っていました。
 
「戦争責任者の問題」が書かれたのは1946年。
終戦直後です。
戦争の時代を生きた人の鋭い指摘。
文章の端々から、当時の皮膚感覚が伝わってきます。

日本は国際人権規約のうち、個人通報制度を批准していない、唯一の先進国

おはようございます。
日本は国際人権規約のうち、個人通報制度を批准していない、唯一の先進国なんですね。
これはまずいと思いました。
日本はやっぱり人権後進国なんだなぁ。
日弁連|個人通報制度批准に向けた取り組み(自由権規約個人通報制度等実現委員会)
このままじゃ不透明な取り調べで自白強要されて死刑とかはなくなりませんね。
 
外国の人からすると、日本は比較的治安が良くて医療費も比較的安いけど、一回捕まったら無理やり死刑にされちゃうかもしれない国って見えるかもしれないですねぇ。
そりゃ米軍の兵士がとんでもない犯罪を犯しても引き渡しなんかしませんよね。
まぁ、国民のための司法ではないということなんでしょう。

ボストンマラソンのテロについて

ボストンマラソンのテロ行為、許されない蛮行ですね。
ゴール付近で爆発させたのは、確実にテレビで現場が録画・放送されるからなのではないかと思いますが、本当に許し難い。
また、今も世界中で戦争やテロで多くの人々が亡くなっていることも忘れてはいけませんね…。
できることをしなければ。

ハイパーレスキューの方々の活躍を知って思ったこと

 福島第一原発での東京消防庁ハイパーレスキュー隊の活躍の経緯を説明した佐藤康雄氏のプレゼン
とんでもないカッコよさ。
日本の宝と思います。
この方々ができるだけ命を懸けないでも済むように、私たちは自分の身を守る準備をしないといけませんね。

 「どの隊長も『いや、俺達にやらせてくれ。俺達が行く。』『俺達が行く。この日のために訓練して、チームワークができてる』」
「これだけの場所ですから、半分は戻れないと思った」佐藤康雄氏
涙が止まりません。
本当に尊いし、涙なしには聞けない言葉。
ただ、こんなことはもうあっちゃいけないと思います。
いつまでかかるかは別として、やはり今のようなリスクを抱えたままの原発はいずれなくすべきなのでは?

 炉が崩壊しても大丈夫な発電原理を開発するか、それが無理ならそれ以外の方法を模索するか。
必要は発明の母と言いますし。
感情的なアレルギー反応で原発を一気になくせというのも危険でしょうし、「今のまましかない」というのも芸がないかも?

 一人の医者として、人間の命に係わるリスクが一番減る方法を採ってもらいたいと切に願っています。

日韓関係の友好回復を願って

日韓の間がぎくしゃくしていますね。
以前、当院には韓国人のスタッフがおりましたし、隣人と喧嘩するのは損しかないように思うので、早く元に戻るよう祈っています。
ただ、韓国は、特に歴史問題に関しては言論の自由の制限が厳しいようです。
日本の側で、史実に基づいて冷静に相手を理解し、大人の対応をする必要があるように思います。
売り言葉に買い言葉では、事態が収束するようには思えません。
ためしに韓国の教授が書かれた本を読んでみることにしました。
歴史再検証 日韓併合―韓民族を救った「日帝36年」の真実 (祥伝社黄金文庫) 崔 基鎬 著
他の立場に立った本も、いいものがあれば読んでみたいと思います。
大事なことは、韓国の方々は、そういった「いろいろな立場」に立って検証することができない現状だということです。
その方々(一般国民)を一方的に嫌ったり非難したりすることは、あまりフェアなこととは思えません。
もちろん、権力者が「反日」をあおって保身に走るようなことは、あってはならないと思いますし、糾弾されてしかるべきでしょう。
日韓は仲良くして、Win-Winの関係を保っていかなければ、共倒れになってしまうのではないかと心配です。


僕の専門の胃腸の世界では、日本と韓国は世界の2トップです。
(がんの早期発見、内視鏡治療など)
僕も大学病院時代に、韓国まで行って学会発表をしました。
(ソウルの街を一人でふらふら歩いたのも、懐かしい思い出です。)
仲よくして、さらに世界を牽引していかなければならない責任があるのに、喧嘩している場合ではありません。

「アハメドくんの いのちのリレー」を読みました。

アハメドくんの いのちのリレー
アハメドくんの いのちのリレー 僕が愛読している週刊アスキーというパソコン雑誌で著者の鎌田 實医師がインタビューに答えておられて、どうも大切そうな内容でしたので、買ってみました。
概要は、
「平和を愛していた12歳のパレスチナの少年アハメドが、イスラエルの兵士に撃たれて脳死状態になり、イスラエルの病院に搬送された。
父イスマイルは、苦悩の末、なんと敵国イスラエルの病気の子どもたちを救うため、臓器移植を承諾した。
戦争は銃では終わらせられない。
これはイスラエルの人々に送る平和のメッセージなのだ、と。」
といったところ。
イスマイルさんと、アハメド少年の臓器提供を受けて元気になった少女の感動的な出会いなども紹介されていました。
鎌田医師は、「自分にできることは何か」と問いかけて筆をとられたとのこと。
僕はひとまず、この本を待合室に置いてみました。
皆さん、もしお時間があれば、少し手にとって読んでみていただければと思います。

捕鯨関係の本を読みました。2冊目

シー・シェパードの正体 (扶桑社新書)
シー・シェパードの正体 (扶桑社新書) 捕鯨に関連して、日本の調査船に対して、危険な行動を繰り返しているシーシェパードについての本を読んでみました。
この本を読むまで、シーシェパードがどういう団体か全く知らなかったんですが、驚くことばかり。
特に、アニマルプラネットという良質な動物関連の番組を多数制作しているテレビ局が、シーシェパードにくっついて行って、多くのねつ造に加担しながら、「クジラ戦争」という番組を作り、海外の多くの国々で高い視聴率を取って儲けていることなど、全く知りませんでした。
また、その番組の成功で、シーシェパードには、大量の寄付金が流れ込んだようです。
派手なパフォーマンスの裏にはやはりお金の動きがあったというわけです。
また、この本には、中心者のポール・ワトソン氏の虚言の数々、メディア戦術、およびシーシェパードによるレーザー光線やランチャーを使った薬品瓶攻撃の実態・危険性なども詳細に記載されています。
その根底にあるものが、「人間は地球にとって病原体である」という考え方だということも、この本を読んではじめて知りました。
意外なところでは、ワトソン氏は日本を嫌っているのかと思いきや、この世の森羅万象に神が宿るという宗教観を持っていて、自然を崇拝する日本特有の文明に対して尊敬の念を持っており、宮本武蔵が大好きなんだそうです。
もとより僕は捕鯨について是非を論ずる立場にありませんが、国際的に非難を受けている事象については、それなりに知っておくことも必要だなと思いました。

捕鯨関係の本を読みました。1冊目

白人はイルカを食べてもOKで日本人はNGの本当の理由 (講談社プラスアルファ新書)
白人はイルカを食べてもOKで日本人はNGの本当の理由 (講談社プラスアルファ新書) ちょっと前に、「The Cove」という映画を見まして。
日本で行われているイルカの追い込み漁を隠し撮りした作品。
僕自身はイルカとかクジラの肉って多分食べたことないんですが、観た感想としては、かなり恣意的に作られているな、という印象でした。
また、(極論すると)牛は馬鹿だから食べてもいいが、イルカは賢いから食べてはいけない、という論調。
また、イルカを殺すのは野蛮な行為、ということでした。
この本のメインは、それに対する反論。
フェロー諸島のイルカ漁の事を調べるなどし、なぜ日本のイルカ漁のみがやりだまにあげられるのか、といった点を掘り下げていました。
結論から言うと、抗議の声を上げないことが問題を大きくしているとのこと。
堂々と抗議の声を上げていくべきだと。
また、「The Cove」の中で数々のねつ造があることも暴露。
映画に出演しているリチャード・オバリー氏が、作品を「娯楽」とたびたび発言していることも記載。
これだけセンシティブな内容について、ウソを交えながら娯楽として映画を公開し、多額の利益を得たとなると、漁師の方々の生計、文化を含めて考えた場合、「表現の自由」の範囲を逸脱しているのではないかという疑念が残ります。