内視鏡日誌 2011.05.31 当院の内視鏡洗浄

交換時期の過ぎた消毒液を誤って使っていた病院が報道されていました。
また、かつて一部の病院で、きちんとした洗浄をせずに内視鏡検査が行われていたらしい、ということも耳にします。(今はないと信じたい…。)
 
当院では一回の内視鏡検査ごとに、丁寧に手洗い等をした上で、カイゲン社のCLEAN TOP WM-Sという消化器内視鏡専用の洗浄消毒器を使用しております。
毎朝、強力な電解酸性水を生成してから使用しておりますので、「消毒液の交換時期が過ぎる」といったことは起きえません。
(しようとしても、生成から12時間経つと洗浄できないように装置が設計されています。
また、電解酸性水が消毒に適さない状態になっても、自動的に検知して動作しないようになっています。)
安心して検査を受けていただければと思います。
 
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内科日誌 2011.05.30 ネット中毒専門外来

韓国にネット中毒専門外来ができたそうです。
向こうは死者が出るほどですから、当然と言えば当然かもしれませんね。
日本にも潜在患者さんは多いような気もします。
するとしたら精神科の先生がするんでしょうね。
楽器ひいたり石鹸作ったりするらしいです。
治療はものすごく地道で大変なんでしょうね…。
治療スタッフも患者さんも。
 
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禁煙外来日誌 2011.05.29 新社会人の喫煙率

新社会人の方の喫煙率って、1割くらいなんですね。素晴らしい。
http://www.j-cast.com/kaisha/2011/05/23096291.html
http://jp.ibtimes.com/articles/18901/20110523/1306152000.htm
産業医の立場からひとこと。
経営者にとって、従業員にたばこを吸われちゃうと、定年まで元気に働いてもらえる確率が減ってしまう上、医療費がかさんでしまうのでいいことが何もないんですよね。
一定のスキルを積んだ人が働けなくなると、他の人に同じだけのスキルを身につけてもらうのにお金も時間もかかるし、その間、ビジネスチャンスを失うことにもなりかねない。
また、倒れちゃうと同僚の方にも当然迷惑がかかってしまいます。
もちろん、脳梗塞や心筋梗塞、癌、肺気腫などになってしまいますと、ご本人の生活の質はガクッと下がります。
(逆に、喫煙されている方が禁煙されると、病気のリスクが減るだけでなく、運動能力が上がったり、EDが予防できたり、いろいろなメリットがあります。)
 
「禁煙」は「自分のため」にすることだと思っている方が多いと思いますが、「健康管理も仕事の一部」と考えた場合、実は「禁煙は仕事の一部」なのかもしれません。
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「都鄙問答 経営の道と心」を読了

都鄙問答 経営の道と心 (日経ビジネス人文庫)
都鄙問答 経営の道と心 (日経ビジネス人文庫) 由井常彦氏の「都鄙問答 経営の道と心」を読了しました。
前半は石田梅岩の「都鄙問答」の解説。
石田梅岩は江戸時代の思想家。
「都鄙問答」は商人が心得るべき「道」と「心」を説いた古典。
日本版のCSRの古典とも言えるかも。
 
後半は日本の経済の歴史を振り返る内容。
 
前半で今のクリニックの経営方針が間違ってなかった、と安心。
後半は産業医として勉強になりました。

内科日誌 2011.05.23 米国の慢性膵炎の原因

米国の539人の慢性膵炎の患者さんを対象にした疫学調査で、飲酒が原因とされたのは半数未満(44.5%)で、原因不明が28.6%、飲酒以外の原因が26.9%だったそうです。
また、喫煙で原因不明の慢性膵炎のリスクが2倍近くに上がるというデータも出ているようです。
 
日本でも、「慢性膵炎」=「多量飲酒者」と決めつけてしまう先生が少なくありませんが、実は米国でも同様の思い込みがあるようで、それが今回のデータでも否定されたわけです。
そしてまた、「意外に禁煙が大事」ということも強調されるべきですね。
 
Coté GA et al. Alcohol and smoking as risk factors in an epidemiology study of patients with chronic pancreatitis. Clin Gastroenterol Hepatol 2011 Mar; 9:266.
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内科日誌 2011.05.23 水タバコでも害は同じ

American Lung Associationの研究(メタアナライシス)で、水タバコも紙巻きたばこと同じように肺の機能を落とすという結果が出たそうです。
水タバコの方が害が少ないと言われていたけどそんなことなかった、という。
水タバコでも慢性閉塞性肺疾患(COPD)の発症を引き起こす可能性が高そうです。
流行っている無煙タバコも水タバコの一種だそうですから、同じことが言えるかもしれません。
 
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内科日誌 2011.05.22 食道バレット上皮(バレット食道)

今日はちょっと病気のお話。
 
食道バレット上皮(バレット食道)は、逆流性食道炎(胃酸が食道に上がって粘膜を障害した状態)の痕です。
胃酸に弱い食道の粘膜が、本来の粘膜(扁平上皮)から胃と同じ粘膜(円柱上皮)に置き換わった状態です。
この食道バレット上皮(バレット食道)、実は食道がんのリスク。
ですから、まずは生活療法(必要に応じて薬物療法)で逆流性食道炎を悪化させないこと、そして毎年胃カメラでがんが出てきていないかどうかをチェックすることが大事なんです。
 
初診の方でもネットで胃カメラの予約が可能です。
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内科日誌 2011.05.17 ピロリ二次除菌後の検査をしました

僕、ピロリ菌の除菌に一度失敗してるんですよね。
(一般に失敗率は1~2割とされています。)
で、二次除菌をだいぶ前にしました。(薬を一週間飲むだけ)
が、除菌後の判定をしていませんでした。
「いつでもできる」と思うと、いつまでもしなかったりするのが人間の(僕の?)性。
で、今日、ついに検査をしました。
お昼御飯が例によって遅くなったので、いい機会だと思って。
さて、結果がどうなるか。
ちょっとドキドキです…。
また失敗したら面倒ですねぇ…。
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内科日誌 2011.05.16 コレステロールの薬で長生き

これもイギリスの研究。
statin系の薬(高コレステロール血症で使われる代表的な薬)を飲んでいると、肺炎と診断されてから6か月以内に死ぬ確率が30%減る、というデータが出たようです。
なんでそうなるのかははっきりしていないようですが、コレステロールが高い人は飲んでおいて損はなさそうですよね。
いろいろおまけの効果(?)があるわけですから。
Douglas I et al. Effect of statin treatment on short term mortality after pneumonia episode: Cohort study. BMJ 2011 Apr 6; 342:d1642.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21471172?dopt=Abstract

内科日誌 2011.05.16 1日10時間以上働いたらだめ?

イギリスの公務員を対象にした研究で、1日10時間働くと、7-8時間の人に比べて1.45倍狭心症や心筋梗塞が起きるらしいです。
11時間以上だと1.67倍。
僕の勤務時間はだいたい週70時間くらいだから…。やっぱり医師を増やさないといけませんねぇ。
Kivimäki M et al. Using additional information on working hours to predict coronary heart disease: A cohort study. Ann Intern Med 2011 Apr 5; 154:457.
http://www.annals.org/content/154/7/457.long