戦場ジャーナリストの方々について思ったこと

日本のジャーナリストは紛争地に行くべきか?行くべきでないのか?-戦場ジャーナリストとしてモノ申すを拝読しました。
大切な意見だと思います。
人が命を懸けて公共のために仕事をし、なにかあっても責任はすべて自分が負うとの信念を持っている時、それを「迷惑だ」と禁止する権利が誰にどれだけあるのか…。
彼らがカメラとペンを武器に、悲惨の2字を無くすために戦う侍だとして、使命感ゆえに危険な戦いに臨まんとするとき、その命の輝きを阻むことが「正義」か、という点は慎重に考えねばならないと思います。
禁止しない場合、誘拐ビジネスを助長しないため、捕えられても犯罪者とはあまり有効な交渉ができない可能性が高いという前提に立っての話になってしまうため、残酷な話にはなってしまうかもしれませんが…。
僕は医者なので、基本的には健康寿命を延ばすのが仕事ですが、その根本は、その人が生きたいように生きるのを補助することだと思っています。
末期がんの患者さんの命を少しだけ伸ばすことより、その人が納得し、少しでも満足した最期を迎えられるようにすることが大事なこともあると思います。
ジャーナリストの方が自分の残りの命を紛争地帯の実態を世界に伝えることに使いたいとおっしゃったとき、その考え方を適用することが「悪」なのか。
あくまで寿命を延ばすことが「善」なのか。
そもそもその善悪を決める権利が医者ごとき(あるいは赤の他人)にあるのか。
人はいつか死ぬと考えた時、その命の使い方は、その人自身の自由であるべきなのか。
あるいは、その自由は制限された方が公共にとって「善」なのか。
感情論ではなく、冷静に考えなければいけない問題だと思います。

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