脂質の摂取量

昨日、NHKで膵臓と糖尿病のテレビ番組を放送していました。
江戸時代の日本人の1日の脂質の摂取量は19グラム、その頃のヨーロッパ人は60グラム。
ヨーロッパ人は脂質の多い食事を続け、何千年もかけて、少しずつ膵臓の機能を発達させた(発達した人が生き残った)のに対し、日本人はずっと膵臓に対する負担の少ない食事をつづけてきて、膵臓は発達しなかった(させる必要がなかった)。
ところが現代に入って急激に1日に54グラムも摂るようになって、膵臓の機能が追い付かない人が激増し、糖尿病になってしまう人がたくさんいる、という話でした。
僕もこの話をよく外来でしています。
日本人は民族的に膵臓が弱いために、普通の体型でも糖尿病や慢性膵炎になってしまう人が大勢います。
もともと持っている機能が弱ければ、人と大して変わらない食事や飲酒でも発症・発病してしまうんです。
遠い将来は日本人も膵臓が強くなってくるのかもしれませんが、さしあったって僕らの代では無理です。
そういうことは後世の人に任せて、まずは自分の健康を守るために、自分に合った食生活にしていかなければいけません。
ヒラハタクリニック 慢性膵炎、膵機能障害について