警察の介入は適切か。帝京大学のニュースに思う

 帝京大学のニュースが流れていますね。
アシネトバクターという常在菌が多剤耐性菌になって、亡くなった方の中に25名、感染していた方がいらっしゃって、警察が介入しているという。
たしかに、感染が広がった時の対応にいくつか問題があったかもしれないんですが、単に人手が足りなかっただけなのではないかという気もします。
また、アシネトバクターという菌はどこにでもいる菌で、健康な方や、普通の病人の方ではあまり問題になる菌ではありません。
私は感染症の専門家ではありませんので、あまりはっきりしたことは言いづらいのですが、この菌はものすごく重病の方などでは問題になる可能性があるものの、これに感染したことで死亡した、と言い切ることができるケースはかなり限られているのでは、と思います。
(今回の帝京大学の報告書でも「否定できない」「因果関係不明」「因果関係なし」という3段階になっています。)
 また、大学病院のように重病人が多く、抗生剤がたくさん使われるような大病院では、耐性菌の発生をゼロにすることは絶対にできません。
発生を抑える努力は必要と思いますが、理論上、ゼロにはならないのです。
 また、「耐性菌」=「強毒菌」ではありません。
アシネトバクターなど、いくら多剤耐性でも、毒性は通常通り、ほとんどの方にとって問題になりません。
 今回、発表があった直後に警察が入ったそうですが、調査をすればいくらでもこういった事例はあるのではないかと思います。
それらにいちいち警察が介入してきて大変な労力が割かれるとなったら、現場の人間は委縮して医療などとてもできません。
元気な人だけ診て、重病人は受けない、という病院が増えたら日本の医療はどうなるのでしょう。
それでたくさん人が死んでもいい、という民意ならそれも仕方ないのかもしれませんが…。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です