検査でのX線被曝の量について

今回はX線を使った検査での被曝について勉強した内容を少し。
高線量の放射線を浴びると、体の組織が障害を受け、発ガンのリスクが高まることが知られています。
ただ、検査での被曝は線量が低いため、理論上は障害を受けても2日程度でDNAの障害は修復されるということになっています。
ですから、必要と判断される場合は安心して検査を受けていただきたいんですが、今回はその被曝する線量について、お示ししておきたいと思います。
普通の胸部レントゲン検査では被曝量(実効線量)は0.08mSv。
経口バリウム検査(MDL)では1.5mSv。
注腸検査(肛門からバリウムを入れてする検査)では7.0mSv。
頭部CTでは2mSv。
胸部CTでは8mSv。
腹部CTでは10~20mSv。
骨盤CTでも10~20mSv。
原爆被爆者のデータから、年間の被曝が50mSvを超えてくると、発ガンのリスクが統計学的に言って、有意に高くなってくるという説もあるようです。
逆に、かなりの低線量であれば、癌などが抑制されるという報告も。(「放射線ホルミシス」と言います。)
放射線ホルミシスについてはしっかりしたエビデンスと言えるものはまだないとされているようですので、積極的にお勧めできる段階にはまだないかと思いますが、レントゲン撮影くらいは怖がらなくてよく、むしろ体にいいのかもしれないと思って気軽に受けていただければと思います。
そういえば、とてもよくお世話になっている日本有数の消化管造影検査(バリウム検査)名人の先生は、検査をたくさん施行していると体がだるくなるが、なぜかビールを飲むとそのだるさが取れる、とおっしゃっていました。
もちろん科学的根拠はありません。
でも、体感としては間違いないとのこと。
何でなんでしょうねぇ?

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