健診・ドック日誌 2009.05.08 当院のドックが安いわけ

 今日、患者さんに当院のドックがとても安くて助かる、と言われました。
たしかに、生活習慣病健診などは通常の身体測定、採血、レントゲン、腹部超音波、さらに鼻からの胃カメラまで含めて¥26,250。
 他院と比べると、かなり安い料金設定です。
安いからいい加減な検査かと言われれば、断じてそれはありません。
健診センターなどでは数をこなさなければならない(健診センターによっては、検査件数のノルマがあったりする)ため、どうしても流れ作業的な短時間の検査しかできないのが実情ですが、当院ではたっぷりと検査時間を用意。
大雑把な検査ではなく、見逃しの少ない、しっかりとした検査を提供しています。
(例:一般的な健診センターでの腹部エコー検査は6~7分程度。当院では専門の女性技師が10~20分かけてしっかり観察します。)
 ではなぜ安いのかというと・・・

続きを読む 健診・ドック日誌 2009.05.08 当院のドックが安いわけ

大腸カメラ日誌 2009.05.08 麻酔について

 麻酔について、少し誤解を与えてしまう可能性があるので、念のため書いておきます。
私が当ブログで書いている「全身麻酔」とは、手術などで行うようなしっかりした全身麻酔ではなく、その導入で使われるような、軽い薬を使った鎮静、ということになります。
ただ、局所麻酔とは違い、十分量使えば意識が消失しますし、少量でもボーっとはしますから、広い意味では「全身麻酔」ということになります。

続きを読む 大腸カメラ日誌 2009.05.08 麻酔について

アンチエイジング日誌 2009.05.05その2 ストレスで脳が老化

 長期間、マウスにストレスを与えると海馬の細胞が死ぬ、という研究があります。
Stress induces neuronal death in the hippocampus of castrated rats.
Neurosci Lett. 1992 Apr 13;138(1):157-60.
Mizoguchi K, Kunishita T, Chui DH, Tabira T.

 また、ベトナム戦争で現地に派遣されていた期間が長いほど、帰還兵士の海馬のサイズが縮小していたということも分かっているそうです。
Why stress is bad for your brain.
Science. 1996 Aug 9;273(5276):749-50.
Sapolsky RM.

続きを読む アンチエイジング日誌 2009.05.05その2 ストレスで脳が老化

アンチエイジング日誌 2009.05.05 カロリー制限が体にいい理由

 マウスの摂取カロリーを70%に制限すると、寿命が明らかに延びる、という実験があります。
その他にもさまざまな研究が行われ、カロリーを制限すると、サーチュインという有用な酵素が活性化し、老化を防止することが分かってきました。
逆に、メタボリック症候群を起こしていると、血管が老化して心筋梗塞、脳梗塞につながり、インスリンの効きも悪くなって糖尿病になり、癌の発生率も上がる、ということが分かっています。
 どうも、たくさん食べてインスリンを出そうとする刺激が起こると、体は老化するようです。
また、「オートファジー」といって、ダメになった蛋白を分解して栄養に変える機能が体には備わっているのですが、栄養過多だとこの機能が鈍り、その結果異常なタンパクが蓄積し、異常をきたすのではないかと言われています。

続きを読む アンチエイジング日誌 2009.05.05 カロリー制限が体にいい理由

内科・皮膚科日誌 2009.05.03 今日は休日診療

 今日は休日診療です。
早速2人患者さんが来られました。
ゴールデンウィーク中ですのであまり渋谷には病気の人はいないかもしれませんが、なにかあれば17時までにご来院ください。

続きを読む 内科・皮膚科日誌 2009.05.03 今日は休日診療

内科日誌 2009.05.02 豚インフルエンザ

たまに患者さんに聞かれるのが、「前に打ったインフルエンザワクチンは豚インフルエンザにも効くんですか」という内容。
実は豚インフルエンザが「Aソ連型」に似ているので、ちょっと効くんじゃないかという期待が一部にあったそうですが、WHOの発表によると、やっぱりダメだそうです。
ちなみに、豚インフルエンザにかかった場合、通常のインフルエンザ診断用迅速キットで検査をすると、「A型陽性」という結果が出ます。
☆☆☆2009/5/3追記☆☆☆
10日以内に海外に行かれた方で38.5度以上の発熱がある方は、病院・クリニックで診察を受けず、まずは発熱相談センターに電話をして相談するよう通達されています。
渋谷区発熱相談センター(渋谷区保健所感染症対策係)
03-3463-2416(午前9時~午後5時)
上記以外の時間帯は
東京都発熱相談センター(都内共通)
03-5320-4509
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

続きを読む 内科日誌 2009.05.02 豚インフルエンザ

健診・ドック日誌 2009.05.02その2 甲状腺の検査

 甲状腺の話が出ましたので、具体的にどんな検査をするのかをご説明します。
当院の健診の頚部触診で甲状腺の腫大(大きくなっていること)を指摘された場合、できればベテラン女性技師による超音波検査を受けていただきます。
そこでしっかりと観察をした後、必要に応じて血液検査を行うことになります。
血液検査では、基本的に甲状腺機能を測定することになります。
 甲状腺が大きくみえるだけで、超音波で測ってみたら意外に大きさは正常だった、などという場合は、全く問題ありませんので採血はしません。
逆に橋本病などが疑われれば、甲状腺機能だけでなく、橋本病かどうかを判断する検査もすることになります。
(健診の結果、追加される検査はすべて保険適応です。)

続きを読む 健診・ドック日誌 2009.05.02その2 甲状腺の検査

健診・ドック日誌 2009.05.02 意外に多い甲状腺疾患

 健診をしていると、割と頻繁に甲状腺のやや大きい女性がいることに気づきます。
甲状腺は首にある臓器で、甲状腺ホルモンというホルモンを作っています。
ここが大きい場合、橋本病や良性結節、悪性腫瘍などを考えて検査をしておかなくてはいけません。(健診の結果、追加される検査はすべて保険適応です。)
 上記の中で、実は橋本病という病気がとても多いということが知られています。
なんと女性の10~30人に一人が橋本病だというのだから驚き。

続きを読む 健診・ドック日誌 2009.05.02 意外に多い甲状腺疾患

大腸カメラ日誌 2009.05.02その3 鈍感な医師

 無麻酔で検査をしていると、患者さんが苦しがるので自然に無理な操作をしなくなり、その結果腸に無理がかからない、というメリットがあります。
ただしこれは一般論。
例外はやはりあります。
それは、検査を施行する医師が痛みに鈍感になっている場合。
患者に痛みを与えることに慣れてしまうということが、残念ながら大腸カメラを施行する医師には起き得ます。

続きを読む 大腸カメラ日誌 2009.05.02その3 鈍感な医師