膵炎日記 2009.04.29 慢性膵炎にサプリメント?

ちょっと古い論文ですが、1999年のイギリスの論文で面白い論文がありました。
慢性膵炎の患者さんは、再発急性膵炎や正常の人に比べて血中のセレン、ビタミンA、E、ベータカロチン、キサンチン、リコピンなどが足りない、というもの。
対象の数が慢性膵炎の患者さん27人、再発急性膵炎の方が11人、正常が19人と、かなり小規模な研究ですので、評価は慎重にすべきとは思いますが、なかなか興味深い内容です。
もちろん、足りないならサプリなどで補えばいいじゃないかという発想もありだと思いますが、それで予防や治療になるかと言われると、上記の研究の結果だけでは分かりません。
ただ、2006年のイギリスの論文では、抗酸化物質(セレン、ベータカロチン、Lメチオニン、ビタミンC、E)のサプリを飲ませたら、プラセボと比べて慢性膵炎の患者さんの痛みとQOL(生活の質)が明らかに改善した、という結果が出ており、試してみる価値は十分にあると言えるかと思います。
まぁ、アレルギーがない限りはあまり副作用などありませんし。
(こちらの研究も評価人数が19人と少ないのがつらいところですが・・・)


ちなみに、僕も左側腹部に圧痛があったり、脂ものやアルコールで下痢をするなど、軽い膵炎の症状があるわけですが、マルチビタミンを飲むようになってから痛みが減っているようです。
風邪もひかなくなったし、元気になりました。
まぁ、何年か食事療法等もしていますので、純粋にマルチビタミンの効果かどうかと言われるとちょっと分かりませんが・・・。(^-^;
<文献>
The antioxidant profiles of patients with recurrent acute and chronic pancreatitis.
Morris-Stiff GJ, et al.
Am J Gastroenterol. 1999 Aug;94(8):2135-40.

Combined antioxidant therapy reduces pain and improves quality of life in chronic pancreatitis.
Kirk GR, et al.
J Gastrointest Surg. 2006 Apr;10(4):499-503.

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